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えと透みか 私の物語

種類

アトリエ

日時

2021年〜2025年

場所

与那国島

私の物語
マヤ暦の大晦日と満月、そして台風のエネルギー満ちる日に、ひとつの創造スペースに名前をつけました。"えと透みか"。
アトリエえと透みかは、実はアトリエが欲しくて着手した空間ではないのです。「自分が空間を作ったら、いったいどんな形になるのだろう?」こちらが先でした。この純粋な好奇心が、ご縁を繋いでくれたのかなと思っています。ここまで挑戦させてくれている大家さん一族に、本当に感謝しています。
土づくりから始める。空気を肥やす。たくさんの助っ人によって出来上がってきた床。そこに蜜蝋ワックスを塗り込む。コツは、歌いながら気楽にやること。
2021年8月、最初の展示会『どんな薬よりも海のがいいと思うよ〜』が始まりました。鶏4羽と暮らしながら、海風で踊るような場所。海で泳ぎ、野生の恵みに触れて、滋養のある潮風に身を任せる。えと透みかは、日常の中で自分の楽園を探せる場所になっていきました。
土曜日には子供たちが来てくれました。二人のときもあれば、十人のときもある。オーストラリアからの旅人や、友達の小さな娘さんが混ざる日もありました。鶏を描いたり、マチスを模写したり、聞いたことのない音楽に合わせて絵を描いたり。まだ絵の具の扱いに慣れない子のために、年上の子がそっとチューブを絞ってあげる。それは自然と起こることでした。私も、子供たちから教わることがたくさんありました。
作品
私にとって、絵を描くことは祈りに似ています。人間の認識を超えていけるかもしれない。油絵が大好きです。
『生絵』シリーズは2022年に始まりました。お名前を元に油彩で描くオーダー作品です。生絵はその方へのお守りのようなものを作る行為で、ファッションな絵ではありません。巻物や家宝になったらいいなという心です。
波をうまくつかって泳ぐと、遠くまで楽に行ける。キャンバスには力みを入れないで、泳ぐように描く。フローに、全体をみながら。
混ざり合って、山と海の間の汽水のような。間を混ぜ、合わせる。古い方法で作る。与那国島の汽水になっているところで泳ぐと、体がとても澄まされる。
コラボレーション
年月を重ねるなかで、活動は外へと広がっていきました。境界線を越えていく多国籍即興コンサートチーム『Breaking Borders』。ドイツのカーマンフィルハーモニーとのライブペイントコラボレーション。ハープ奏者シュタイナー・ソフィーと一緒に行う『ライブペインティングとハープの調べ』を、与那国町立図書室で、島の小中学校で、東京で。
「ハープの音色、そもそも聞いたことはありますか?」ソフィーの修練は様々な国にまたがり、その音色と一緒に絵が動いていく。
風が変わるとき
移住して3年が過ぎました。ここでの体験を新鮮に語れるのもそろそろかなと思い、東京で私のお話会を開きました。
節目である秋分は移動の日。与那国島の空では何種かの渡り鳥の群れがザァっと、泳ぐように飛んでいるのを見れました。
若者に学ぶことは本当に多いなと。今までは年上から学ぶことが多かったのですが、もうシフトして下の世代を育てるような人になっていきたいと感じています。
離れる
2025年12月、与那国島を離れました。
Que sera, sera. ある時、呆気なく目的が変わってしまった。未知へ引っ張られるように、言葉の前の感覚というやつがお知らせに来る。「あなたもうココじゃありませんよ。」鶏もいたし、猫もいた。大事な人もいた。同じくらい進化のための移動本能は極端だった。向かわずにはいられない。だって体がまだとても良く動くから。
与那国が私に教えてくれたのは、場所には体が言葉より先に学ぶ教えがある、ということ。5年間、泳いだり、歩いたり、描いたり、鶏や猫と暮らしたり、モルタルに珊瑚を混ぜたり、繊細な時間の中で働いたり。そういう学びは、言葉では伝わらない。けれども、作ることを通しては伝わる。
与那国島は作る人にとって、価値の高い場所です。根源を揺さぶるような、力。ぜひ一度は行ってみてください。
与那国島、本当に、本当にありがとう。

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